大判例

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最高裁判所第三小法廷 平成11年(あ)1509号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人平松和也の上告趣意は、違憲をいう点を含め、実質は単なる法令違反の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

なお、所論にかんがみ、職権で判断する。

原判決の認定によれば、千葉県夷隅郡御宿町の町長選挙に立候補するため同町助役を退職した被告人は、退職に際し同町職員で構成される親睦団体からせん別金一九万円、同町から報奨金二〇万円を贈呈されたことから、在職中世話になったことに対する謝礼等の趣旨で、退職後間もない時期に、同町職員合計九二名に対し、手交し又は郵送するなどの方法により、ビール券各五枚(時価三六七〇円相当。合計四六〇枚、時価合計三三万七六四〇円相当)を供与したものである。被告人は、右供与につき、公職の候補者となろうとする者が、選挙区内にある者に対し、当該選挙に関せず、かつ、通常一般の社交の程度を超えない寄附をしたことに当たるとして、公職選挙法一九九条の二第一項、二四九条の二第三項の罪により起訴された。本件寄附は右の罪が成立しない事由を定めた同項一号、二号に該当しないところ、所論は、本件寄附が右せん別金等を受けたことに対する返礼等の趣旨の下にその合計金額の範囲内でされたものであり、かつ、右返礼等をすることが同町役場において慣行化していたというが、これらの事情は右の罪の成立を妨げるものではないから、これと同旨の原判決の判断は、正当である。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 奥田昌道 裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文 裁判官 金谷利廣)

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